つながる図書館―コミュニティの核をめざす試み

猪谷千香
ちくま新書

全国の公立図書館は、地域を支える情報拠点として、また町づくりの中核施設にもなっています。そうしたいくつかの図書館を取り上げ、図書館の在り方を考えさせる一冊となっています。特に注目したいのは、佐賀県にある「武雄市図書館」と「伊万里市民図書館」。両市はいずれも約5万人の人口の自治体。両図書館は距離にして20㎞ほどしか離れていません。「武雄市図書館」は、レンタルショップ「TSUTAYA」などを経営する企業CCCが指定管理者となって運営されています。一方、「伊万里市民図書館」は、行政と市民が対話をしながら作り上げた図書館で、毎年市民が開館日を図書館の誕生日として祝うそうです。この二つの図書館を比較する章を読むと、公立図書館とは一体、誰のために、何のために存在するのかが浮き彫りになってきます。名古屋の図書館をどうしていくかを考えるにあたり、読んでおきたい一冊です。